僕が高校2年生のときの話。 ご近所で書道教室をされていた山口先生。 兄妹揃って習いに行っていて、僕は小学校6年生までで辞めさせてもらったけど、先生のお家との交流は続いていた。 それはご近所付き合い的な関係やし、なんというか、学校の先生とは違い、優しいのんびりとした関係だったので心地よかったということもあるやろう。 山口先生はおばあちゃんといったお歳で、おじいちゃんと二人暮らしをされていた。 門を勝手に入り、家の裏の庭先のガラス戸がら入ると、二間続いて長机が何脚か並んでいた。 家に入った時の墨の匂いや山口先生んち独特の匂いが懐かしい。よく覚えている。 書いた字の誤りを正されるときのあの赤いペン、朱色の墨。 懐かしいな。 なんか赤いのが羨ましかったな。もし僕も赤いペンや朱色の墨で書いたら、もっと上手く書けるはずって思ってた。 おじいちゃん(おっちゃんと呼んでたかな)は日頃何をしてはったのか分からないけど、白い髪が奇麗な優しい方で、たくさんの盆栽を育てておられた。 高校生になった僕は陶芸と同時くらいに盆栽にも興味を持ち始めていた。 一番下の妹がまだ小学生だったので習いに行っていて、そこからの連絡を通じて、おっちゃんに「盆栽のことを教えてほしい」と伝えたところ、おっちゃんはすごく喜んでおられた。そういう若い僕みたいなんが自分の好きなことに共感を得てくれたことや頼ってくれたというところが嬉しかったのだろうと思う。 そして喜んで教えようとしてくださるおっちゃんに僕自身も嬉しくなった。 何年かぶりに先生のうちに遊びに行ったら喜んで迎えてくれ、なんと教えてくれるだけでなく、おっちゃんが生駒の山から採って来た苗を何年か育てた「山紅葉」をくださったんや。 初めて手に入れた盆栽。 結構大きいし、めっちゃカッコよく見えて、ホンマにホンマに嬉しくてたまらんかった。 それから自分の部屋に飾りながら、本などを買って手入れの仕方を学んだ。 それから何年になる。13年くらいか。 もうおっちゃんが亡くなり何年にもなる。僕がモンゴルに行っている間に山口先生も亡くなられたらしい。 盆栽はモンゴルにいる間に手入れする人がなく、数本の枝が枯れてしまい形を変えたが、今年もまた綺麗な若葉を出してくれました。この若葉のタイミングが一番好きや。 今年も若葉を出してくれた。 大切に育てていこう。
by mongoling-yanwoo
| 2013-03-18 22:48
| 日本
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