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輪窯の灯り

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3回目の窯焼成をおこなった。
2009年に仲間と窯を作って早3年。窯の設計、築窯監督をしたのは僕です。
たくさんの仲間に手伝ってもらった。なによりもスポンサーである、さちこママと加藤ねぇねの多大なるご協力と応援により、果たして素晴らしい窯が出来上がった。

その窯が、本当に素晴らしい。
基準が無いので比べにくいものではあるけど、まず温度の上がりが良い。そして緋色がよく走るのです。
3回焚いたうちでも、全て焼き上がりに違いがあり、いろんな焚き方が出来るということが伺える。

だいたい24時間ほどで焼き上げるけど、もっと早く終わることも出来るだろうし、長時間練らして灰を山ほど被せてビードロを出すことも出来るだろう。
素晴らしい。

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窯を焚いているときの気分は、とても静かだ。
火の音がする。
薪のカランコロンと当たる音に燃えてはじけるパチパチとした音、少しの話し声、ゴオゴオと唸る窯。
そんな音に心の波長が同調していく。それが静かになっていく要因の一つやとおもう。

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温度を上げていくのにはリズムがある。
リズム。
ずっと薪を焼べ続けても上がらない。窯にも薪を飲み込んで消化するのに少しの時間が要る。
薪を入れすぎると黒い煙を出してくる。そのあと、息を吸うようにぐうっと温度が上がる。
少し無理をさせるような気持ち。それがだんだんとリズムになってくる。

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火を見ていると取り憑かれたような気分になる。
ずっと見続けていても飽きない。というか、見てしまう。

火の具合、火の通り、色、薪の場所。いろんなものを見極めようと目を凝らす。
窯を焚き終わったとき、体力以上の気力が想像を超えて失われる。
火が気を高ぶらせ、活性させ、奪ってゆく。 そんなイメージが持てる。

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今回も面白いものが焚けた。
次回はどうなるだろうか。
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窯のことについて、焼きもののことについて、これからも記していきたいと思う。
自分への確認と知見を込めて。
by mongoling-yanwoo | 2012-11-22 22:31 | works
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