東北から奈良に帰ってきて、実家の仕事である縫製業を本格的に手伝わせてもらうことになった。 実家の仕事ということ、長男ということ、家庭ということ、今までのことと、これから将来のこと。 いろんなことをいっぺんに考え、それで答えが見つかったわけではないけれど、 自分にとって、周りにとって、将来の在り方についてできるだけベターな選択をいま早急にするとなった時に、ひとまず家業をお手伝いさせていただくという選択をすることにした。 これは自分にとってかなり勇気のいったことです。 我が家はたぶん、仕事柄かなり特異なことをしている。そんななかで育った。 長年家の仕事を見てきて、その面白さと珍しさに一つの敬う気持ちは持ち合わせていたけど、「継がなければならない」という無言のプレッシャーの中、自分はものづくりの仕事をしたいという思いが、自然と陶芸という方向に導かれていった。 モノを作るようになって、次第に家の仕事のすごさを見直したけど、だんだんと陶芸にのめり込む自分との距離は、大きくなる気がしていた。 それに「土」という素材が好きすぎて、「布」という素材に変な苦手意識を持っていたなぁ。上手く扱えないのです。 今ではそんなところで考えはせず、「生業」「ライフワーク」「百姓」 そんな言葉をキーワードに、 自分のしたい事をケジメ良く確り全部やっていく という決意。そして節義、道義を貫く生き方をしていこうという、以前より大きな視野で見るようになった。 こう考えることができるようになったのも、今まで出会ってきた人々や環境、精進してきた陶芸、モンゴル、モンゴルを通して見つめた「人の道」、その思いから東北に向かった心情 の積み重ねの上に生まれているのだと 信じます。 陶芸は春から秋にかけて本格的に。 農業もその季節に合わせて思い切り踏み込む。 基盤事業である家業は秋から春が忙しい。 奈良振興、地域振興というのは次第に絡まっていくように。 これらのことを自分のあらんかぎりの気持ちで尽力する。 写真は、仕事で新しくもらった裁ちバサミと糸切りバサミ。 よく切れすぎて怖い。今まで使ってきたはさみとはわけが違います。 糸切りバサミで2回指を切ってしまった。 技やコツは最後は自分で見つけていくもの。時間がかかってしまうけど。 仕事に必要な「道具」は大事に丁寧に扱わないといけません。 僕は「道具」が好きです。
by mongoling-yanwoo
| 2012-12-23 16:34
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